<スポンサーサイト>

2010年11月28日日曜日

留置所での初夜が明けて

 これは夢かもしれない、目が覚めたらちゃんと家にいて、いつもの朝が待っているはずだと期待しながら、鉄格子の向こうの、鉄線入りの曇りガラスに写る車のライトを眺めているうちに、永い永い眠れぬ夜は明けてしまいました。
 6時半に起床の声がかかり、布団をたたんで各房ごとに布団部屋に片付け、洗面の蛇口の空いている分だけ房から出されて歯磨きをし、終わった房から順番に掃除機がまわされて、雑巾でトイレを拭きます。
 7時に小さな小窓から一畳分のゴザが入れられて、これがテーブル代わりになります。朝飯は冷たいご飯と、4分の1切れほどの魚のフライと沢庵2枚のおかずに、一番安いインスタントみそ汁(ほとんど具は見あたらない)で、みそ汁を飲み終わると、そこにお茶か白湯をついでもらいます。
 留置所の房は7室あり、同居人が2~3人いますが、私は6号房で他に公務執行妨害の方と、窃盗で逮捕されたコロンビア人の方が一緒でした。
 コロンビア人の方は日本食が合わないらしく、ほとんど食べ残していました。
 いや、コロンビア人でなくても食べ残したいほど、まずい朝食でしたが、留置所の朝食がうまいはずはないので、あきらめて腹に流し込む感じです。

 食事が終わってしばらくすると、霞ヶ関の地検や裁判所に行く人は別の小部屋で身体検査の上、手錠でつながれ、さらに手錠同士をロープでつながれて、他の警察を廻ってきた護送車に乗って出かけていきます。(行くときは「護送」帰りは「逆送」と呼びます)
 それ以外の人は、8時半になると「運動室」(8畳位の部屋で、とても運動などできるところではなく、建前上の「運動室」ですな)に行き、2,3人の看守の見守る中で、ヒゲをそったり爪を切ったりし、タバコを2本だけ吸うことができます。もちろんタバコは自前で、お金が無い人は吸えません。
 タバコを吸う人と吸わない人は、時間をずらして運動室に入るので、これもある種の分煙ですが、吸う人の場合、狭い部屋で6,7人が一度に、しかも指が火傷をするほど根本まで吸うので、部屋に煙が充満して、吸わなくても十分吸った気になるし、すぐに肺ガンになりそうな環境です。
 その後、9時頃から取り調べが別の部屋で始まり、私も2日目と3日目に午前中3時間、昼飯を挟んで午後2時から4時間ほど取り調べを受けました。
 取り調べといっても、こちらは深く深く反省しまくっていたので、刑事さんも穏やかで、話も比較的スムーズに進んでいましたが、ああいう場所ですので、緊張のせいか頻繁に尿意をもよおし、その度におまわりさん立ち会いのもと、小便や大便をするわけですが、人の排泄状況をくさい臭いをかきながら待っているおまわりさんには、非常に申し訳なく、とても気の毒に思えました。やはり、大変なお仕事なんですよ、おまわりさんも。
 そんなこんなで一日が過ぎ、夜9時には消灯となって、またまた永い永い夜が始まるのです。
(つづく)




な!なんだ、このコーヒー!?

0 件のコメント:

コメントを投稿