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2011年1月14日金曜日

死刑執行施設

 全国には、死刑囚を収容する刑事施設が各矯正管区ごとにあって、その刑事施設の中に死刑執行施設もあります。東京拘置所も、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の全国7ヶ所の中の一つで、茨城・栃木・群馬・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野・静岡の関東甲信越を管轄する死刑囚収容施設です。
 私が入所していた時には、男子52名、女子2名、54名の死刑囚が東京拘置所にいましたが、7月29日、ここで2名の死刑が執行され、その後、死刑場がマスコミに公開されたのは記憶に新しいところだと思います。
 その日、いつものように夕方の6時50分に、お昼のNHKニュースが流されました。トップニュースでアナウンサーが「今日午前11時頃、東京拘置所において2名の死刑囚の死刑が執行されました。」と言ったとき、この拘置所内のあちこちから「えっ」とか「うっ」とかが混ざったようなうめきが聞こえたような気がしました。私自身、一瞬体が硬直してしまいました。
 何しろ、まさに自分が今いる建物の地下で、しかも、今日死刑が執行されたというのですから。この時の気持ちはなんとも言い表しようがありませんでした。そして、検閲しているにもかかわらず、当たり前のようにこのニュースを流していることにも驚きました。このニュースを聞いた死刑囚はどんな気持ちなのかを考えると、その心中は想像を絶するものだろうと思います。
 未決の時、運動の時間に、この施設に4年もいるモリさんによると、死刑囚は5階に収容されているとのことで、確かに運動室から5階を見ると、5階だけ外廊下に沢山の観葉植物が並べられているのがわかりました。
 1966年に一家4人を殺害したとして死刑が確定し、事件に関わった判事が、冤罪だと証言した「袴田事件」の袴田さんも、74歳になる今もこの拘置所に収監されていると、アエラの記事で読んだことがあります。
 松本智津夫をはじめ、オウム真理教のサリン事件で死刑が確定している何人かも、この施設の5階にいることになります。
 私はこの夜、かなり遅い時間までなかなか眠れませんでした。


刑場は地下1階にある。刑場への出入り口となる廊下からのドアは、他の扉と同じであり、死刑確定囚がそこに入っても、刑場とは理解できないのではないかと思われる。その廊下から通じるドアを開けて中にはいると、観音像が設置されたエリアがある。そのエリアからは、アコーディオンカーテンで区切られており、その先に何があるのかは分からない。

アコーディオンカーテンを開けると、そこが刑場である。薄紫色のカーペットが敷かれた刑場(8~10畳程度)には真ん中に110cm四方程度の四角い赤枠(落とし板)があり更にその中に小さな枠がある。天井には縄を掛けるフックがある。落とし板は油圧で開く仕組みになっており死刑囚は約4m下に落下して絞首される仕組みになっている。

落下する部屋はコンクリート敷きの床である。ちょうど死刑囚が落ちてくる部分は、四角形の穴がありネットで覆ってある。死刑囚の遺体などを洗浄したときの水を流すためだ。

刑場は隣の部屋からガラス越しにて検証できるようになっている。このガラス越しの部屋は検察官や拘置所長らが死刑執行に立ち会う場所となる。この場所からは刑場の全貌が見えるとともに、執行後地階に落下した死刑囚の執行後の姿が確認できる。死刑執行を実行する刑務官の執行場所からは死刑囚の執行現場は確認できない場所にあるのではないかと推察される。
(下記ホームページより編集)
日本弁護士連合会・死刑執行停止実現委員会





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