前回紹介した欧州放射線リスク委員会(ECRR)のクリス・バズビー博士は、講演会の中で「私がこうして皆さんに話ができるのは、原子力関係から一銭もお金を受け取っていないからだ。」と話した上で、世界中の原子力関係団体は、金で科学を操っていると言いました。
このブログで何度も書いたように、日本でも「御用学者達」が国民に嘘をつき国民を騙し続けました。蓋を開けてみると、やはり彼らは東電や様々な原子力に関わる推進派の団体から資金援助を受け、そのために国民に嘘をついてまで自分の世界を守ろうとしていたことがわかりました。そして、原子力に反対する人たちに圧力をかけ、口を封じようとし続けてきました。政官財学、そしてマスコミまでもが国民をマインドコントロールしようとしていたのです。
ここにきて、やっと民放や国会の委員会に参考人招致されるようになった、武田邦彦氏や小出裕章氏、石橋克彦氏のような人たちは、何十年も前から原発に異を唱え国民に警鐘を鳴らし続け、その度に推進側からの圧力を受け続けてきたのです。40年以上前から原発廃止を訴えている広瀬隆氏などは、著書の中で命まで狙われたことを告白しています。
しかし、それは日本だけではなかったのです。
原発を進めるために、金と利権にまみれたえたいの知れない巨大な闇の力は、世界中に存在していたのです。
クリス・バズビー博士が、講演の中でどうしても言わなければならないと言って、話した内容を以下に記載します。
ここ10年ほど科学者の嘘が増えており、それをなんとかしないといけない。今、一般の人々が耳にする情報や政策が、ますます専門家の意見に左右されるようになってしまっている。
例えば、その時の科学者の発言は、殺人者の裁判の時に証言する人と同じ立場である。殺人の裁判で嘘を言えば偽証罪になるのと同じように、嘘を話す科学者は、ややもすると刑務所にいかなければならない。1950年代にイギリスでサリドマイドの事件があり、その時に足や腕のない子どもが産まれた問題が起きた事がある。しかしその後も、専門家の意見によってその薬が売られ続けていたが、最終的にその専門家達は裁判によって刑務所に入ることになった。
しかし、やっかいなことは、今科学者が新聞やテレビで嘘を話しても法に触れるわけではない。特に放射能の影響と健康についてはそうだ。
1952年以降、放射線と健康被害については、かなりの隠蔽工作が行われてきた。
1959年は世界中の核実験のピークだった年だが、その年にIAEA(国際原子力機関、原子力推進のための機関)とWHO(世界保健機構)の間で密かに合意がとられた。それは、放射線による健康被害の分野はWHOではなくIAEAが担当することになったのだ。それによってチェルノブイリ原発事故の健康被害について、きちんと研究されなくなってしまった。放射線による健康被害に関する研究の研究費を得る方法がなくなってしまったのだ。
最近、私と私のグループがスウェーデンの大学の人たちと、欧州議会に対してガンと放射線の関係についての研究費を得るための申請をしたが、EUによって却下され、それどころかこれまでの全ての研究費を切られてしまい、申請をしたほとんどの研究者達の研修室が閉鎖されてしまった。
ウェールズの大学の私の同僚は20年間も放射線の研究室を構えていて、レバノンでイスラエルがウランを使った問題について研究していたが、2007年に研究結果を発表した途端に研究室を閉鎖され、彼は職を失ってしまった。
マスコミでもほとんどの場合、放射線と研究被害の問題を掲載しようとすると拒否される。
今年私は、バルト海に関する放射線汚染の研究費について申請したら、これまでの全ての研究費を切られ、インターネットで攻撃され、大学にまでおかしな手紙が沢山届いた。
どうして私がこうして話をするか、皆さんに意識して欲しいことは、既に放射線と健康被害についての独立した研究所は、世界中にどこにもなくなってしまったということだ。科学はもはや、お金がある人が売買する対象となってしまっているのだ。
だから何かやろうと思ったら、自分で行動するしかないのだ。
市民は自らを自らの力で守るしかないのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿